札幌軟石(さっぽろなんせき)は、北海道で産出する凝灰岩の石材です。
(正式名称/支笏溶結凝灰岩)
北海道を代表する湖、支笏湖ができたときの火山活動で、札幌周辺に流れ出た火砕流が長い年月をかけて固まったものと言われています。
札幌南部の穴の沢(現在の札幌市南区石山地区)で明治14年頃から本格的に採掘が始まり、切り出された札幌軟石は開拓時代の主要建造物の資材として使われました。
明治中期から後期にかけては、札幌軟石の建物が多く造られました。
その後、昭和25年に建築基準法が制定されたことやコンクリートの普及によって次第に衰退。また採掘場付近の住宅化に伴ない粉塵問題が発生し、石山地区での採掘は昭和53年に停止されました。
現在は、札幌市南区常盤の採掘場を残すのみとなっています。
しかし、現在でも札幌市内や札幌近郊には、当時札幌軟石で建てられた倉庫や石蔵などが残されており、おしゃれなカフェなどに活用され、愛され続けています。
都市開発により、札幌軟石の建物を解体する例も見られますが、札幌軟石の建物を利用してカフェなどのお店を経営したいと希望する人たちが多いので、商業利用することで、解体せず札幌の歴史的財産として残す方法がないかを検討する時期に来ています。
札幌軟石文化を語る会の代表、岩本好正が所属する
「石切山街道まちづくりの会」が取材・編集した長編の読み物、
『札幌軟石物語』には第一話【石山の発祥】から
第三十九話【近年の軟石の建物】までが物語風に綴られています。
札幌軟石のことがよりよくわかるサイトです。